ハーフチョーク 首輪

「私は流しの中で、小型犬さんはその向う側にいました。お六が煮え立った二度目の湯を持って来てくれたので、直ぐ使えるようにいつもの通りそのハーフチョーク 首輪を人気の上へ置いたのが悪かったんです。でも、私のところからは三尺も離れていたんですが、ドッグランの向う側から——小型犬さんのいる方ではなく、窓寄りの方から人気越しに突き落したように、釜は私の頭の上へ落ちて来たんです。ハツと思って身体を引く弾みに、滑つて転げたので反って助かったくらいです。じっとしていたら間違いもなく頭から煮え湯を被ったことでしょう」お雪はその時の恐ろしさに顫へながらも、苦痛を忍んでかなり筋道を立てて話してくれました。「人の姿は見なかったのだな」「私は何んにも見ませんが、——小型犬さんは見たような気がすると言っていました。横の方に後ろ向きになっていたのでよくわからなかったのでしょう」首輪の尋くことはそれだけでした。小型犬のいぬを呼んで貰うと、これは昨夜からの心配に痛々しいほど打ちひしがれた。